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ONE THEMA

2019.01.18

「100年時代の人生をドラマチックに変える」ために

女性であることは大変だ。

男のように考え、

淑女のように振る舞い、

少女のような外見で、

馬のように働く。

― 我が家にかかっている標語

 

一読して「あるある」と頷く女性は少なくないだろう。

実はこれは、『何が起きたのか?』(ヒラリー・ロダム・クリントン著/光文社)の中に出てくる文章だ。つまり“我が家”とは、かつてアメリカ合衆国のファーストレディを勤め、自らも大統領選を二度戦ったヒラリー・ロダム・クリントン自身が住む家のことである。

 

私たちがこの標語に共感できるのはなぜか。

それは現代の日本人女性も―もちろんヒラリーとの差は質、量ともに歴然とあるにしても―社会から多くを求められ、大きなプレッシャーを感じているからだと思う。

 

結婚して子供を生んで育てて! 家計を守り、夫の世話と老親の介護をして! 社会復帰して働いて! あと、できれば輝いて!

 

背負わされた責任を律儀に果たそうとして疲弊している女性たちに、この本の著者である岡本有加はこう語りかける。

 

「どんな時でも、自分自身で覚悟を決めよう。そうすれば誰かのせいにすることなく、納得した人生を自分の足で歩んでいくことができる」。

 

岡本は、高校時代にアメリカに留学、帰国後にパートナーと「ほけんの窓口」グループを創業。15年で450店舗、売上げ300億円、グループ従業員4500人という一大企業に育て上げた実績を持つ。

 

自らのことを「『起こして終わり』の起業家ではなく、実業を営む企業家」とする岡本が、長年かけて培ってきた豊かな人生を生きるための人生論を一冊にまとめたのがこの本だ。

 

プロフィールだけを見ると、彼女は才能と運に恵まれた特別な人であり、自分とかけ離れたスーパーウーマンのように思えるかもしれない。

しかし本を読んでみると、世の中をスマートに泳ぎ渡って来たのではなく、もっと泥臭く地に足をつけて生きてきたことがわかる。

 

そんな彼女を支えてきたのは、子どもの頃、自営業者だった母が常に口にしていた「覚悟」という言葉だった。

 

岡本にとって「覚悟を決める」とは、「起こりうることを想定内として受け入れること」だという。

人生には、良いことも悪いことも起きる。

ともすれば、私たちは悪いことから目を背けようとしたり、逆に悪いことにばかりフォーカスして行動をためらってしまうこともある。

 

しかし、岡本の言葉は力強い。

 

「覚悟さえあれば、その先に起こるいろいろなトラブルも苦になることはありません。自分で決めたことには、必ず自分で解決する力が備わっているものだからです」。

 

覚悟を決めて、行動する。

それができたとき、女性は周囲から求められることに忙殺されるのではなく、自ら多くのことを求めていけるのではないかと思う。

そして「女性が輝く」とは、まさにこのことだと改めて思う。

 
 

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『結局、「我がまま」に生きてる女(ひと)がすべてを手に入れる』(岡本有加・著)